みなさま、こんにちは!
国際カラープロフェッショナル協会の柏原静香です。
さて、これまで10回にわたって連載してきた【色彩心理】シリーズですが、前編・後編に分けて総集編をお送りしております。
2回目の今回は後編です。
各色ともそれぞれたくさんの性質がありましたね。
今回も、各色の性質の中でも特に注目していただきたいところをピックアップいたしました。
さらに、「こんなときはどの色を使ったらいいの?」という疑問にお応えして、
色ごとにおすすめの活用シチュエーションをご紹介いたします。
ぜひともご覧くださいませ✨


この色どんな色?
熱を冷ます鎮静の青
青のキーワードは「鎮静」です。
青を見ると、興奮していた気持ちが落ち着いたり、冷たさを感じたりします。
青は色の中でもっとも冷たさを感じる色であり、物質を後退させて見せる色です。
その効能は、興奮状態を鎮めたり、筋肉の緊張をほぐして心身を落ち着かせることです。
ゆえに、青は心身の回復を図りたいときや、冷静になりたいとき、集中したいときにおすすめです。



夏はカーテンの色を青にすると涼やかさを感じますよ。
集中力が上がるので勉強部屋にもおすすめです。


安らぎの紫
紫のキーワードは「安らぎ」です。
紫を見ると、気分が落ち着いてきたり、穏やかな気持ちになったりします。
紫は赤と青を混ぜてできる色であり、興奮と鎮静の相反する作用を持ち合わせています。
その効能は、心身を平静に導くことです。
また、紫は色の中でもっとも精神(心)に作用する色です。
心が安らぐと、その効果は身体にも作用するので、紫はリラックスしたいときにおすすめです。
ただし、過度に精神が不安定なときや、多用しすぎると気分が落ち込みやすくなります。



紫はおもに心に働きかけます。
心の疲れを解きほぐしたいときにおすすめです。


心と身体を守る盾の黒
黒のキーワードは「盾」です。
黒を見ると、強さや威厳を感じ、近寄りがたさを感じます。
黒は光を吸収・遮断する性質を持ち、何色にも染まらない色です。
例えば、雨傘と違い日傘には黒が多いですが、それは黒が太陽光(紫外線)を遮断して、皮膚を守ってくれるからです。
さらに、外界のあらゆる刺激を吸収・遮断する黒には、何者も寄せ付けない安心感があります。
無意識に黒い服を選んでいる方は、もしかしたらストレスから心を守ろうとしているのかも入れません。
黒はまさに、心も身体も守ってくれる「盾」なのです。



黒は、自身を奮起したいときにおすすめです。
ただし、多用しすぎると孤独を感じたり、気が滅入ったりします。


心身を健康に導く白
白のキーワードは「健康」です。
白を見ると、開放感を感じたり、スッキリした気分になったりします。
白は、光を反射または透過する性質を持ちます。
つるつるした表面色の白はすべての光を反射します。
反対に衣類の布地や障子のような紙類の白は光を透過します。
これらの性質は、心理的には、あらゆる刺激を跳ね返し、心の負荷を取り除きます。
身体的には、太陽光の中の身体にとって有効な光を皮膚に伝えます。
その結果、白は心身ともに健やかにする役割を果たすのです。



元気が出ないときは、白い服を着ると気持ちが前向きになって、気持ちが引き締まりますよ。


名脇役な灰色
灰色のキーワードは「名脇役」です。
灰色を見ると、曖昧さを感じたり、無機質だと感じます。
灰色は、白と黒の中間の色です。
明るすぎず暗すぎずちょうど良い明暗の色なので、刺激の少ない色です。
それゆえ、主張がなく邪魔にならないので日常的に使いやすくて重宝します。
加えて、他の色を引き立てる色、全体をまとめる色として配色には欠かせません。
主役というよりは、他をサポートするのが得意な色です。



灰色はとても身近な色です。街中には灰色が多用されているし、家の中にも灰色のものは多いです。刺激が少なくてストレスにならない色なので、陰ながら私たちの暮らしをサポートしてくれています。


色を使ってHappyなワタシになろう


さて、みなさまも色がもたらす効果がかなりわかってきたのではないでしょうか?
ここからは、どの色をどんな場面で使ったらいいのかをご紹介いたします。
普段なんとなく色を選んでいる方は、色の性質を生かした色選びをすることで、ストレスを軽減できる可能性があります。
今回は色を使う場面として、
✔︎自分自身の心(内面)を整えたいとき、
✔︎他者から見た印象(外面)をコントロールしたいとき、
に分けてご紹介いたします。
青


<内面>
- 冷静になりたいとき
- 睡眠のとき
- 涼やかさを感じたいとき
- 食欲を落としたいとき(ダイエット時など)
- 集中したいとき
<外面>
- 知的
- 誠実
- 大人っぽい
- クール
- さわやか
紫


<内面>
- リラックスしたいとき
- 睡眠のとき
- 感受性を高めたいとき
- 芸術的活動をしたいとき
- カリスマ性を出したいとき
<外面>
- ミステリアス
- 大人っぽい
- 思慮深い
- エレガント
- 高貴な
黒


<内面>
- 気を引き締めたいとき
- 確固たる信念を貫きたいとき
- リーダーシップを取りたいとき
- 威厳を出したいとき
- 他人と距離を置きたいとき
<外面>
- 頼りになる
- 都会的な
- ダンディな
- リッチな(高級感)
- 威厳のある
白


<内面>
- 心機一転したいとき
- 思考をクリアーにしたいとき
- 清潔感を出したいとき
- 健やかでいたいとき
- 新しいことに挑戦したいとき
<外面>
- 清潔感のある
- 無垢な
- フレッシュな
- 健康的な
- 気高い
灰色


<内面>
- 平常心でいたいとき
- 刺激を軽減したいとき
- 周囲と馴染みたいとき
- 控えめでいたいとき
- 感情を揺り動かしたくないとき
<外面>
- 堅実な
- 勤勉な
- 慎重な
- 穏やかな
- シックな
まとめ
今回は【色彩心理】総集編・後編をお送りいたしましたが、いかがでしょうか?
色は内面にも外面にも影響を与えます。これまで、
✔︎なんとなく色を選んでいた方、
✔︎色選びが苦手だと感じている方、
色が与える影響を把握した上で色選びをすると、これまで感じていたストレスが解消するかもしれません。
いきなり色物を取り入れることに抵抗がある方は、自宅の物(他人には見えない場所の物)や小物類から挑戦してみてくださいね。
最後に、長期にわたって連載してきました【色彩心理】シリーズはいかがでしたでしょうか?
これまで知らなかった色の性質や効果について「なるほど」と思っていただけていたら幸いです。
ぜひその中の一つでもいいので活用してみてください。
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【引用】
野村順一,『色彩生命論 イリスの光』,㈱住宅新報社,1996.二宮恵理子,『好きな色は似合う色』,propus(株式会社サテライト),2020.
文部科学省後援,『色彩検定®公式テキスト 1級編』,内閣府認定 公益社団法人 色彩検定協会,2020.