みなさま、こんにちは!
国際カラープロフェッショナル協会の柏原静香です。
酷暑の夏もようやく終わり、紅葉の季節になりましたね。
夏の疲れが出てくる頃かと思います。
みなさま、お体ご自愛下さい。
さて【色彩心理】シリーズ10回目の今回は、灰色の心理です!
ぜひともご覧くださいませ✨
「灰色」ってどんな色?
みなさんは「灰色」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?
ねずみ、曇り、コンクリート、曖昧、不安…
なんだかパッとしないイメージですね。
そうですね。
たしかに、灰色ってつかみどころがない印象の色ですね。
ですが、歴史をみていくと、実は日本では灰色はかなり重宝されていた色だったことがわかります。
灰色は、おしゃれで粋な色です。
灰色は白や黒と同じく色味をもたない色です。
しかしながら、灰色は明暗や濃淡によってイメージに変化をつけることができます。
四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねず)という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
江戸時代後期に、様々な茶色や鼠色(灰色)が流行したことをあらわす言葉です。
この時代は、幕府が奢侈禁止令という庶民の華美、贅沢を禁じる法令を出していました。
それに対して庶民は、茶色、鼠色、黒色といった一見地味な色合いの色に様々な変化をつけて「染め」を楽しんだのです。
色の名前には、人気の歌舞伎役者からとったものもありました。
灰色は地味な色と思われがちですが、「染め」を工夫することでおしゃれを楽しむことができたのですね。
また、灰色はメインカラーを引き立てる名脇役です。
単色では物足りなさを感じがちな灰色ですが、他の色と組み合わせることによって、おしゃれな色へと変わります。
灰色は主張しすぎないのでメインカラーの邪魔をしません。
主役を引き立てるサポート役として、全体のバランスをとってくれるところが魅力です。
灰色はひかえめな色ですね。
でも、そういうところにシックさ、上品さを感じるんですね。
灰色が秘めている力
灰色はストレスを緩和する色です。
灰色は白と黒の中間の色であり、白のような眩しさ、黒のような圧迫感もなく、
過度なストレスを感じない色です。
そのため、灰色は気持ちを落ち着けて、心をフラットな状態へと導きます。
赤い絵の具に灰色を混ぜると、強さが少し和らぎますよね。
たしかに!
灰色を混ぜるとその色が穏やかになりますね。
灰色を選ぶときの心理状態
「何だか最近、灰色が気になる」という方はいらっしゃいますか?
現在のあなたがポジティブな場合
灰色は、ニュートラル(中立・中間)な色です。
現在のあなたは、気持ちが安定しており、自分が心地いいと思える行動がとれているのではありませんか?
現状の生活に満足しており、変化は望んでないようです。
もし、違う色が気になりだしたら、それは日々の生活にちょっとしたスパイスを加えたくなった兆しかもしれません。
現在のあなたがネガティブな場合
灰色は曖昧でどっちつかずな色です。
灰色は、「グレーゾーン」という言葉もあるように、曖昧で、はっきりしない状態をあらわします。
現在のあなたは、自分の考えに自信がなく、物事を決めかねている状態なのではありませんか?
また、灰色は、他者に合わせることが得意な色です。
あなたは自分の意思を抑え込んで、無理に他者に合わせようとしていませんか?
他者の意見に合わせることも必要な場面もありますが、いつもそれではストレスが溜まってしまいます。
そんなときは、赤、橙、黄などの暖色系の色を取り入れてみて下さいね。
行動を起こすエネルギーをもらいましょう。
灰色にはそんなメッセージがあるんですね!
灰色が好きな人あるある
みなさんは、「好きな色は何色ですか?」と聞かれたら何色と答えますか?
好きな色であなたの性格の傾向がみえてくるかもしれません。
今回は灰色が好きな方についてみていきます!
※あくまでも色の性格をもとにしており、すべての方に当てはまるわけではないのでご注意ください。
- 温厚
- ひかえめ
- 慎重
- 真面目
- 優柔不断
- 自信がない
いかがですか?当てはまるものはありましたか?
灰色が好きな人は、用心深くて思慮深い印象ですね!
まとめ
今回は灰色の心理についてお話し致しましたが、いかがでしたでしょうか?
一般的に、灰色にはどちらかというとネガティブな印象をもっている方が多いのではないでしょうか?
JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会)が発表した「2020年のムードを象徴する色」の結果によると、
1位に選ばれたのは、灰色(グレー)でした。
理由としては、コロナ禍による不安な気持ちを表現した色だからということです。
共感できる方も多いのではないでしょうか?
しかしながら、灰色なしでは配色の幅も広がらないのも事実です。
私たちは、灰色にネガティブなイメージをもちながらも、他の色とコーディネートする際には、
なぜかそんな印象は気にならないのが不思議ですよね。
むしろ全体をまとめてくれるお助けカラーとして重宝します。
「灰色を取り入れてみたい」という方は、ファッションがおすすめです。
都会的、シック、上品といったイメージを演出できます。
灰色をファッションに取り入れる際は、色の明暗(濃淡)で印象がガラリと変わるので、
自分がなりたいイメージに合わせて選んでみて下さいね。
もし、自分に一番似合う灰色が知りたい方は、一度パーソナルカラー診断を受けてみて下さい。
あなたにピッタリの灰色がわかりますよ✨
【引用】
野村順一,『色彩生命論 イリスの光』,㈱住宅新報社,1996.
二宮恵理子,『好きな色は似合う色』,propus(株式会社サテライト),2020.
文部科学省後援,『色彩検定®公式テキスト 1級編』,内閣府認定 公益社団法人 色彩検定協会,2020.
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